【カナダワーホリ】新型コロナウイルスの影響で日本へ緊急帰国:帰国前1週間の出来事

こんにちは、ふるかわゆき(@RanpySnow)です。

先日、カナダワーホリ残り2か月を残して緊急帰国しました。

3月11日WHOのパンデミック宣言から3月24日の日本緊急帰国するまで、私の身の回りで起こった出来事と帰国に踏み切るまでの過程をまとめました。

ちなみに、私はレイクルイーズスキー場の日本食レストランのキッチンで働いていました。

住居はバンフにあるスキー場のスタッフ寮に住んでいました。

Contents

3月11日WHOのパンデミック宣言から日本緊急帰国を決断するまで身の回りで起きたこと

【3月11日 (水)】
WHOは新型コロナウイルスのパンデミック宣言。この日前後からスーパーでトイレットペーパー・米・パスタ・パン・缶詰・冷凍食品などが品薄状態になる。

【3月12日 (木)】
スキー場の全レストランで除菌用の石鹼水の常備、キッチン手袋着用必須、身の回りの物の消毒の徹底、席数を減らして隣の席との間隔をあける対策をし始める。

【3月13日 (金)】
スキー場のブュッフェスタイルレストランのクローズ。

【3月14日 (土)】
客足が少ないことから仕事を11時切り上げ帰宅。他のセクションの友人も早めに帰っている人が多数。

【3月15日 (日) 】
少し忙しい平日くらいの忙しさで仕事終了。

【3月16日 (月) 】
カナダ、ドルトー首相が記者会見で「カナダ国民、およびカナダ永住権保有者以外の入国を禁止する」ことを発表。カナダが鎖国体制に入る。自分の職場のレストランがクローズ。わたしはオフだったのでバンフのスキー場でスキー。

【3月17日(火)】
アルバータ州政府から公衆衛生上の緊急事態宣言が発令。レイクルイーズスキー場の最終日がこの日になる。もともとオフだったため、スキーから帰ってきた16時ごろその事実を知る。

【3月18日 (水)】
カナダの国際線着陸は、トロント、モントリオール、バンクーバー、カルガリー空港に限定。この日の私は帰国する友人とお別れするために以前住んでいたスタッフ寮に行く。

【3月19日 (木)】
ニュージーランドは一部の例外を除いて外国人を対象に入国禁止措置を開始。この日は帰国する友人たちと最後にドライブをしてお別れ。

【3月20日 (金)】
オーストラリアは国民と居住者、その家族を除くすべての人を対象に、入国禁止措置を開始。職場の友人と情報交換、今後についてカフェで話す。この時点まではカナダに残るつもりでいた。

【3月21日 (土)】
最終的にこの日の夜、帰国を決断し、2日後のフライトに向けて準備をし始める。

アルバータ州政府の公衆衛生上の緊急事態宣言の発令内容

①50人以上の集会の中止。礼拝、結婚式、葬儀も含む。食料品店、ショッピングセンター、医療施設、空港やその他の生活に必須な施設は含まれない。
②ジム、プール、美術館、コミュニティセンター、子供のプレイセンター、カジノなどのリクリエーション施設や娯楽施設の利用の禁止。
③バーやナイトクラブの利用の禁止。
④レストラン、カフェ、フードコートなどは、最大収容可能人数の50%の人数(かつ50人以下)までの顧客が利用可能。
⑤テイクアウト、配達、ドライブスルーのサービスは許可される。許可された施設は酒類の配送も認められる。
⑥非営利団体の配膳、炊き出し、信仰上の食事は除く、しかし消毒の実践は遵守しなければならない。

以上のような内容が3月17日に発令されました。

職場のレイクルイーズスキー場の突然のクローズ

3月17日(火)ちょうどオフの日だったので、私は朝からレイクルイーズでスキーをしていました。

夕方4時ごろメインロッジに帰ったときに友人から「今日でスキー場おしまいだよ」と言われました。

数日前からウィスラーなど有名なスキー場もクローズになっている中、レイクルイーズスキー場のクローズの日も近いことは噂されていましたが、ついにその日はやってきました。

その時点では次の日の仕事は従業員全員お休みで今後の連絡は後ほどあるということでした。

しかしその後の仕事に関する連絡は一度も来ませんでした。

スキー場のクローズが決まってからすぐに帰国のフライトのチケットを取る人もいれば、その数日後に帰国を決断する人もいました。

おそらく未曽有の事態で、750人ほどの従業員で誰が帰国するのか、誰がカナダに残るのかもわからない混乱状態で上層部も従業員に対して指示が出せない状態だったのではないかと思います。

大半の人は契約期間を2か月ほど残したままスキー場がクローズしたため、失業状態となりました。

私はスキー場がクローズしてから4日間は帰国すべきか事態が落ち着くまでカナダに残るべきか日本のニュースやSNS、カナダのネットニュースからの情報収集、日本に住む知人やカナダに10年以上住む知人などの意見も聞いてかなり悩みました。

私が悩んでいる間、特にオーストラリアやニュージーランド、UKの友人は自国の政府や家族からの呼びかけ、国境封鎖が秒読み状態だったこともありすぐに帰国の決断をしていました。

みんな心の準備ができないまま、突然友人や恋人との別れが訪れて戸惑いを隠せない様子でした。

私も仲の良かった友人が母国に帰る際は急に寂しくなって涙が止まりませんでした。

バンフの街の様子

3月11日のWHOのパンデミック宣言前後から、スーパーではトイレットペーパー・米・パスタ・パン・缶詰・冷凍食品などが品薄状態になり、今まで少し他人ごとだった影響を肌で感じるようになってきました。

3月17日にアルバータ州政府の公衆衛生上の緊急事態宣言が発令されてからは、公共の施設やレストランの営業は一部を除いて停止となりました。

テイクアウトなどのサービスを続けているお店もあれば営業自体やっていないお店もありました。

当たり前ですがこんな日々状況が変わっていく中でも、自然や野生動物はいつもと変りなく過ごしていました。

交通機関

バンフとカルガリーをつなぐブリュースターバスの運行は3月20日から4月10日まで一時的に運休と3月18日に発表されました。
https://www.banffjaspercollection.com/brewster-express/schedule-locations/

バンフエアポーターバスも3月23日を最後に運休もしくはスケジュール変更になるということでした。
https://banffairporter.com/

それ以降の日程で空港に向かう場合、車を持っている人に乗せてもらうか自力でレンタカーを借りて2時間運転して行くことになります。

この緊急事態にバンフ、キャンモア、レイクルーズを走る公共のバスRoam Public Transitは3月19日から5月1日まで運賃が全路線で無料になりました。

しかし運行スケジュールは変更になっています。
https://roamtransit.com/2020/03/roam-service-reductions-starting-march-28/

私もバンフ最終日の3月22日にバンフ⇔レイクルーズ間で利用させてもらいました。

バスの運転手さんは「観光客もいないし、国外から来ているワーカーたちはみんなそれぞれの国に帰ってしまって寂しいよ」と話してくれました。

私も日本に明日帰ることを話すと「またいつか戻ってきてね」と言ってくれました。

ふるかわゆき
この街に住むことができて本当に良かったなと思いました。

帰国を決断した日

帰国を決断した日、3月21日の前日まではカナダにとどまるつもりでいました。

カナダにとどまると決めたはずなのににずっと心の中で自問自答していました。

本当にこの選択が自分にとって良いものなのかを考えながら情報収集も続けていました。

そこで、悩んだ挙句に高校の元担任でよく連絡を取り合っている地理の先生に相談をしました。

彼女は昨年の9月、旅行でバンフにも遊びに来てくれました。

海外の事情に詳しいのはもちろん、海外事情に詳しい友人も多い事から相談することにしました。


私が彼女に今の状況を説明すると、迷うことなく「帰ってきなさい」の回答でした。

自分の中でも日本行の飛行機の便が次々とキャンセルや減便となっていく中で決断するなら今日までだと思っていましたが、1回目電話で話し終わったときは帰国に踏み切れずにいました。

しかしその10分後にまた連絡があって、「明後日23日の朝7:30カルガリー発のANAの便で帰ってきなさい。日本の航空会社だから何があってもあなたを日本に連れて帰ってきてくれるから」と言われて、やっとチケットを購入しました。

ここ数日の友人たちの帰国ラッシュの中、予約していた便が突如キャンセルになって航空会社に問い合わせても電話がつながらない、空港で足止めになるなどの事態が発生していたことから、ちゃんと飛行機が飛ぶのかということも不安でした。

カナダに10年ほど住む知人も4月末に日本に帰国予定だった便が突然キャンセルになっていたとのことでした。

しかし、先生のおかげで「日本の航空会社でまだ便があるのなら、、、」と帰国の決断に至ることができました。

今回思ったことはこういう事態の時には比較サイトを使うのではなく、航空会社のHPから直接フライトの予約を行うことが重要だと思いました。

比較サイトだとすでに渡航禁止になっている国や地域経由の便が掲載されていて最新情報が反映されていないこともありました。

そのため、余計にどのチケットを買ったらよいのか混乱してしまいました。

しかも日本の航空会社であればもし便のキャンセルやトラブルが発生しても日本語で対応できるため、安心です。

緊急帰国を決意した理由

・日本封鎖の日がいつ来てもおかしくないこと

・ワーキングホリデービザの残りが2か月弱であること

・ビザの期限2か月以内に事態が落ちつく見通しがないこと

・もしコロナウイルスに感染するなら自国で治療を受けた方が安心であること

・カナダで失業保険がもらえたとしても十分な額がもらえるかどうかの不安

・その時点で感染者が確認されていないバンフの街ですら、公共施設の営業停止、飲食店のテイクアウトのみの営業など十分な日常生活を送れない状態だということ

・日本に帰国した方が今後のプランを考えやすい環境だということ

帰国を阻んでいた理由

・1か月経ったら状況が良くなるのではないかという期待

・トランジットも含めて、約20時間の移動の間にコロナに感染してしまう可能性

・誰も正解がわからない状況で、どうしたらよいかわからなかった

・ここで帰国=カナダワーホリの終了を受け入れるということ

・ワーキングホリデーも特例でカナダの失業保険が適用になるということ

もしかしたら、一番帰国を阻んでいた理由は「ここで帰国したらもうカナダのワーキングホリデーは終わりだ」という気持ちが一番大きかったのだと思います。

帰国すべきかカナダにとどまるべきかを悩んでいた際に帰国した場合のメリット、デメリット、とどまった場合のメリット、デメリットを書き出してみて、自分の中では今すぐに帰った方が良いと心の底では思っていたものの、なかなか実行に踏み切れませんでした。

ただし、帰国を一旦決意してからは潔く次の準備期間にしようと気持ちを切り替えました。

緊急帰国を決意してから行なったこと

3月21日(土)の20時過ぎに帰国を決断してから3月23日(月)までに行ったことをまとめました。

【3月21日 (土)】

・フライトチケット&バンフ→カルガリーのバスチケット購入

・パッキング

・持っている食料、調味料の整理

【3月22日  (日)】

・バンフ→レイクルイーズ(片道約45分)に行き、職場のユニフォーム返却と仕事靴を回収

・現地に残る友人に自分の余った食料や調味料を譲渡、レイクルイーズをドライブ&友人とカフェでお茶

・バンフに戻ってお土産を買う

・スノーボードとスノーブーツを近くの教会に寄付

・パッキング仕上げと部屋の掃除、シーツ類の洗濯

・カルガリー空港付近のホテルを予約

・寮の友人にお別れをし、寮のチェックアウト

・17時半バンフ→カルガリー空港行のバスに乗り、19時半に到着

・カルガリーに住む友人にピックアップをしてもらい、ホテルチェックイン後に軽く食事とお別れ

【3月23日 (月)】

・朝4時半の空港送迎バスでカルガリー空港へ

・カルガリー→バンクーバー(約1時間半のフライト)

・バンクーバー到着後(トランジットで8時間の待機)、隣町のリッチモンドに住む友人が車で空港外に連れ出してくれて外でランチ

・出国手続き後、カナダ携帯電話の解約手続きのためKoodoに電話する

・バンクーバー→羽田(約11時間のフライト)

【3月24日 (火)】

・羽田到着後21時ごろ家族にピックアップしてもらい1時間後に帰宅

という怒涛の3日間でした。

家に帰宅後もカナダにいたのが夢なのか家にいるのが夢なのか変な感覚がしばらく抜けませんでした。

ワーホリや留学で海外長期滞在する人が備えておいた方が良いこと

今回の一連の出来事からの教訓をまとめました。

・収入なしでも最低1か月は心に余裕を持って生活できる貯金

・荷物はなるべく増やさない

・情報収集に困らない英語力

・いざという時に頼りになる人や友人関係を作っておく

・海外でも車を運転できるようにしておく

・SNSを使っての情報収集に慣れておく

結構当たり前のことかもしれませんが、本当に身をもって大事だということを感じました。

一番この状況でストレスに感じたことは、情報収集に苦労したということです。

ただでさえ、英語のニュースや職場からのお知らせを読むことは、人よりも時間がかかるのに色んな情報や噂か事実かわからない話が飛び交っていて自分が今どうすべきかを判断するのに時間がかかりました。

それでも幸い相談できる友人や知人が現地だけでなく日本にもいたことからすごく助かりました。

また、この緊急時にFacebookやTwitterでの情報収集はとても役立ちました

特にTwitterでは同じ時期にカナダワーホリをしている方や現地で長年生活している方からの情報が入ってきたため、英語での情報収集に苦戦していた私の助けになりました。

そして、一番自分でも感心したことは、パッキングが30分程度で終わったことです。

カナダに来た当初とそんなに荷物の量が変わっていなかったのと、緊急事態だからこそ必要なモノと不必要なモノの判断が一瞬でできたことで思った以上にパッキングが早く終わりました。

また、都市部に住む人であれば必要ないかもしれませんが、海外で長期滞在する際に郊外や田舎に住む人は車を運転できるように国際免許の取得や普段から運転に慣れておくのが良いと思います。

もしバンフからカルガリーへの交通手段が無くなったら最終手段としてレンタカーを使って自力で行くことを考えていました。やはり選択肢が多い方が緊急の時には役に立ちます。

最後に

カナダワーホリ生活あと2か月を残して、最後は嵐のような3日間で幕を閉じましたが、それはそれで貴重な体験をできたと思っています。

もしこの時期に自分がカナダにいなかったとしたらこんなに必死に英語で情報収集をしなかっただろうし、各国の友人からそれぞれの国の状況を聞くことも無かったと思います。

海外で突然、失業者になったことで、失業者に対しての政府のサポートなどもカナダと日本の対応、両方に興味関心を持ってその動向を見守っています。

そういうことがきっかけで、もっと政治に関心を持って参加していかなければいけないなと強く感じました。

帰国後の現在は2週間の自宅待機期間でひきこもり生活をしています。

ふるかわゆき
次に向けての準備期間だと思ってこの2週間を過ごしていきます。

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